調理師試験の試験内容「①食文化概論」

①食文化概論…調理師実務の基本となる各国食文化や食の意義について。食文化はその国の風習や民族によって異なっています。各国の食文化についての知識が必要です。食品を加工、調理することは人間だけが行う食文化を象徴している行為であります。道具や火、味付けなどは食文化の象徴です。

 

「加工」は原料や素材に手を加えて新しいものを作ることです。一方「調理」は安全面を考慮しておいしさを求めて行われることです。食事の意義は生きるための生命の維持と、娯楽やだんらんなどの付加価値です。

 

日本の食文化についての主な歴史に関する知識が求められます。和・飛鳥時代は麦、粟、稗、そばなどが中心。平安時代は大饗料理。鎌倉時代は禅宗の影響で食文化の変化。僧侶1日3食、庶民は2食。室町時代は茶の湯や懐石料理。江戸時代は屋台の登場。専門の料理人が職業として増加。そして代表的な郷土料理についての知識も問われます。

 

また海外の食文化についての主な3つに分類についての知識が求められます。イタリアやフランスなどの西洋料理。上海や北京などの中国料理。そしてエスニック料理です。それぞれの食文化の特徴についての知識が求められます。

 

さらに宗教の違いによる食のタブーに関する基礎的な知識が求められます。ヒンズー教では牛肉、イスラム教では豚肉が禁じられているなどの宗教による食のタブーは調理師の実務上で必須の知識となります。